to passageway



diary





  ●2014.1.24(金曜日)

   カプセル白い風邪薬。
   残響滲む歌声。
   アルコールと鶏肉の服用。

  ●2014.1.22(水曜日)

   一定時間内に
   声が出なくなっていく
   人体実験。

  ●2014.1.6(月曜日)

   あなたを連れて帰ります。
   54件電話して探したのですから。
   東の方角へ電車に乗って。

  ●2014.1.1(水曜日)

   1upにつき
   やりなおしの安堵感。
   忘却の砂時計。

  ●2010.12.14(火曜日)

   西の方角へ行き、
   どこまでも青い海を、
   船で移動し、
   迷路のような細い路地を、
   車で移動し、
   スポーツ選手たちの宿舎を通過した頃、
   制服の少女はいつまでも海を見ており、
   どこまでも見覚えのない夏の日。

  ●2010.11.26(金曜日)

   約800メートルツアー2日目にして最終日。

   パキパキ響く楽器の音。

  ●2010.11.19(金曜日)

   辺り一面海に囲まれた砂浜の延々と続く国。

   この国の夜空は深い紺色の星空を背に、
   その手前にはだかる巨大な茶色の横長の帯状の何らかの電子的な物質が、
   左から順に規則的なリズムで
   縦方向に細くめくり裂かれるように欠けていく特殊な現象が見られ、
   星空と海の深い暗い紺色の手前に、
   砂浜と、上空の謎のグラフィックの双方の茶色が
   蜂の巣のように濃い茶色と薄い茶色の
   2色のグラデーションのように混ざり合い、
   やがて万華鏡のように幾つもの四角形や三角形の模様を形成してゆくので、
   これが物質的、又は科学的にどういう仕組みのものか見当もつかないし、
   説明しきれないのだが、
   まるでテレビゲームのバグ画面を放置したまま
   長時間眺め続けているような、
   大変不思議で、しかし貴重で綺麗な現象の景色を目の当たりにしている。

   少し砂浜を歩き続けると、砂の上に広げられた絨毯の上に、
   青いブリキで胴体を型取られた弦楽器が300円で沢山売られているが、
   安物であるから弦のチューニングがまともに合わせられず、
   ぐにゃぐにゃした気持ちの悪い不協和音の緩みきった音楽が、
   辺りのところどころから聞こえ、波の音と混ざる。

   隕石がどこかに落ちたようだが、その頃我々は、
   砂にまみれたバレーボールによく似た軽い感触のボールで、
   ラグビーによく似たスポーツをしていた。

   日が暮れても暮れても朝の来ない、
   夕暮れと夜だけが交互に訪れるこの国の太陽の軌道など、
   不思議で気になるところはいくつもあるのだけど、
   目下のところは、何も深く考えたりはせずに、
   波の音ばかり聞いているのだ。

  ●2010.11.5(金曜日)

   約800メートルツアー初日。

   プラスチックの引っかかり具合に
   意識を散漫にさせながら唄を。

  ●2010.10.30(土曜日)

   先程までシャッターが完全に下りていた飲食店、
   今日は休業かと思いきや、
   台風の通過後、
   いつの間にか何事もないように営業を再開。

   風が吹いたら遅刻して、雨が降ったらお休み。

  ●2010.10.28(木曜日)

   繰り返し聴きすぎた
   カセットテープのように、
   速度をぐにゃぐにやに撫でるように、
   思い出の唄を。

  ●2010.10.10(日曜日)

   並びの心地よい数字の印刷された領収書を発券し保存。

  ●2010.9.20(月曜日)

   400日連続電波の送受信に成功。

  ●2010.9.16(木曜日)

   時間の止まった夕暮れの如き、
   淀み弛んだ拍子の回数、
   相の変わらぬ唄を。

  ●2010.8.25(水曜日)

   車輪の音聞こえる2階は、
   深海のトンネル、
   朦朧として、
   さざ波の思い出、
   相の変わらぬ唄を。

  ●2010.8.16(月曜日)

   365日連続電波の送受信に成功。

  ●2010.8.10(火曜日)

   階段を降りて地下へ。
   名曲の流れる強制エンカウント。

  ●2010.7.26(月曜日)

   減速と加速を繰り返し、
   不安定に唄を歌う。

  ●2010.7.15(木曜日)

   駅の出口を出たところで、
   女子学生が自分の身長を越える大きさのカブトムシを
   左わきに抱えて歩いているのとすれ違い、
   バスターミナルの横断歩道を渡る。

  ●2010.7.13(火曜日)

   42日間続いた得体の知れぬ頭痛の回復の兆し。

  ●2010.7.9(金曜日)

   こわしたい放題を本当にこわしてやりたい。

  ●2010.7.3(土曜日)

   海面に浮かぶ線路、
   駅に到着予定の電車は遅延の傾向にあり、
   晴れた昼間、
   防波堤から陸側を随分と迂回して、
   古びた狭い町の中を歩けば、
   ようやく少しずつ祭りの気配が感じられるようになる。

  ●2010.6.30(水曜日)

   プロの温泉卵キャッチボール選手になりたい。

  ●2010.6.29(火曜日)

   雨の季節の冷却高速回転木馬。
   たばこ屋の辺りで電波を受け取る。
   相の変わらぬ唄ばかりを
   壊れた機械みたいに歌う。

  ●2010.6.24(木曜日)

   6種類の音が聴こえなくなるので、
   朝と、午後と、夜に録音しにゆく。

  ●2010.6.21(月曜日)

   変わり映えのない唄を、
   2階の地下室でたどたどしく歌う。

  ●2010.5.3(月曜日)

   カラフルな光で照らされるゴミ屋敷。
   朽ちた寝具の上、入れ替わりたち替わる、とめどない遠い夢。

   唄を歌い終えたあとの食事はお子様ランチ。

  ●2010.5.1(土曜日)

   丸い氷の塊を投げて
   壁状に積まれた四角い氷の列を破壊する遊び。

   無意識の文字列「qqaaaaaaaaaaa」

  ●2010.4.23(金曜日)

   春の麗らかな安定しない歌声と分散和音を風に。

  ●2010.3.26(金曜日)

   交差する線路。
   見慣れぬ階段を降り、
   見知らぬ人の前で3つ唄を。

  ●2010.3.20(土曜日)

   線路の真下の廃墟にて
   ひとりで唄を歌っていたら
   見知らぬ演奏者たちがよってたかって
   物音を重ねてゆくので
   しまいにはその騒々しさによって
   自分で自分の歌声が
   まるで聞こえないぐらいにまで。

  ●2010.2.10(水曜日)

   繁華街の駅の改札前にて、
   誰も待っていないのに待ち人のようなふりをして、
   通り過ぎてゆく人々の顔を。

  ●2010.2.8(月曜日)

   赤色照明と電車の音。

   廃墟に響くしずかな歌声。

  ●2010.1.28(木曜日)

   徒歩約20分圏内ツアー2日目にして最終日。

   高架下にて。

  ●2010.1.20(水曜日)

   画家の描いた絵のタイトルを
   私がつける。

  ●2010.1.7(木曜日)

   徒歩約20分圏内ツアー初日。

   交差点の角にて。

  ●2009.12.21(月曜日)

   挙動不審な様子にて唄を。

  ●2009.12.13(日曜日)

   hawks #68

  ●2009.12.8(火曜日)

   オムニバスで現実が。

   塔の頂上まで、ただひたすら登っていく話。
   酒場の知人に、動画ファイルを渡さなくてはならない。

   ア行とカ行とサ行とタ行の名前に軍が分かれ、
   色違いの装備で、槍で戦い、敵又は味方に、
   尻尾状の布を切られると自ら命を絶たねばならない。
   制限時間を終了すると、何事もなかったかのように、
   全員通常の町民や教師たちに戻っていくが、
   時間内は敵味方関わらず、とにかく闇雲に必死で戦うのだ。

  ●2009.11.25(水曜日)

   蕎麦屋のそばの未確認飛行物体。
   気の狂った村の祭りに誘われ唄を歌う。
   徒歩20分圏内消去法ツアー最終日。

  ●2009.11.12(木曜日)

   徒歩20分圏内消去法ツアー初日。

   線路の真下の悪い夢。

  ●2009.10.30(金曜日)

   タルトを食す。
   タルトは好物である。
   どれくらい好物かと云い表すなら、
   生魚と双璧をなすくらいの好物である。
   しかしだからといって、
   甘いタルトの上に新鮮な生魚をのせて食せば、
   倍もの美味なる好物になるかというと、
   倍どころかその半分にも至らず、
   寧ろマイナスの代物になってしまうので、
   人間の味覚というものは、
   そうそう単純にはゆかないのである。

   (豊福迷児著『タルトと生魚』より抜粋)

  ●2009.10.13(火曜日)

   ツアー客を乗せたバスは、ものすごい揺れで、
   運転手が振動のきっかけで眼鏡を落としたと言って
   突如運転を放棄してしまい、
   急遽私が運転を強制的に任せられる。

   狭い路地ばかりの
   滅びたような観光地を通過したあと、
   バスなのに鉄橋の線路の上をガタガタと走行し、
   川を越えた先の2種類の駅のどちらに
   電車を停車させるかを委ねられ迷う。
   いつの間にかもうすでに電車になっている。

   目的地に停車後、
   団体客が立ち寄る大型食料品店では、
   鮮魚がどれも半額で買えるので、
   自分も2種類ほど刺身を。
   移動中なので鮮魚なんて買っても困ってしまうのだけど、
   それでも折角なので刺身を。

   最後に立ち寄った観光スポットでは、
   暗幕に囲まれた暗い部屋に全員連れて行かれ、
   電気を消した室内で、
   幻覚を見せられ身体の動きも操られる。
   これには自分はあまり効力がなく、
   周りの8割ほどの団体客みたいには、
   頭を振りまわしたり激しく両手を動かしたりすることはなく、
   ある程度までの冷静さを保てていたが、
   その後に深く悲しい種類の幻覚を全員に行き届かせ、
   暗闇の中バチバチと激しい光とともに見せられると、
   ああ、なるほどなあ、と唸らされるような、
   悲しみの幻覚によって脳内をコントロールされるので、
   その手法には納得させられる。

   蛍光灯の電気が点けられ皆が冷静さを取り戻した後に、
   先生と呼ばれる教祖のような老人の話。
   傍の通訳によると、
   あなた達の寿命を2年ずつ延ばしておきました。
   この時間は、信じる時間にあててください。
   というようなことを言われ、団体客は解散する。

   今ひとつ釈然としないツアーコースである。

  ●2009.10.9(金曜日)

   瞬発力と、不安定さをもってして、
   でたらめな唄を、彼方に向けて。

  ●2009.9.28(月曜日)

   息苦しい歌声と、
   びゅんびゅんと鳴る楽器の音色。

  ●2009.9.24(木曜日)

   バイキンマンふりかけは、
   食品として衛生的にイメージが良くないのは当然なのだから、
   恐らく確信犯である。

  ●2009.9.23(水曜日)

   連休中の人通りの多い駅前のベンチにて、
   一万円札とクレジットカードがたくさん入った財布を拾う。

   落とした財布の中身が無事のまま届けられるなんて、
   日本は平和な国である。

   一日一善、火の用心。

  ●2009.9.1(火曜日)

   黒色小型のカメラを持って、
   基地の鍵を開ける。

  ●2009.8.31(月曜日)

   夏の宿題が終わらない。

  ●2009.8.30(日曜日)

   街角でカメラとマイクを向けられ、
   たじろぐ様子に1日疲れる。

   夜は19時55分から、
   テレビの受信可能な全チャンネルを、
   20秒又は50秒ずつ順に録画してまわる遊び。

  ●2009.8.25(火曜日)

   第2基地を見つける。

  ●2009.8.23(日曜日)

   自覚がないほど不安定な歌声。

  ●2009.8.4(火曜日)

   小型音楽機械と疑似旅装置。

  ●2009.7.31(金曜日)

   階段の上
   後姿しか見えない顔の分からない女性
   かけあがる赤色スカートの裾
   ひざの辺り
   ループにはまる靴音
   怪奇現象の予感の一歩手前に
   靴音を追いこした気がした瞬間姿を消し
   同時期には階段の下
   噴水の近くに姿を見せている女
   肌を全体的に若干露出気味に
   エメラルド色の羽衣を纏い
   やけに耳について離れない
   超高音の細い歌声のみ残す
   呆然とするしかない深夜
   階段に於いての怪談

  ●2009.7.27(月曜日)

   ヒントを貰ったので出かける。
   湿度と状態と廃墟とカレー。

  ●2009.7.13(月曜日)

   地球都市の青魚の心配。
   ?

  ●2009.7.11(土曜日)

   兵隊さんに誘われ出かける。

   残響音のトラップ、ドキドキと、
   2周廻って、穏やかに唄を。

  ●2009.6.22(月曜日)

   似た目の他人の思い出の唄を。

  ●2009.6.20(土曜日)

   都心の郵便ポストに、郵便物をスマートに投函。

  ●2009.5.25(月曜日)

   アンパンマンカレーがあるのだから、
   カレーパンマンアンパンも発売するべきである。

  ●2009.5.10(日曜日)

   朝食は、食塩使用のトマトミックスジュース。

  ●2009.5.9(土曜日)

   席替えの日。
   学年全体全員がクジを引き、
   クラスごと全員総入れ替えという大がかりな席替え。
   クジの結果、私は3組に変更になり、
   そして我々3組の教室の場所は、何故か屋外へと追いやられ、
   学校の敷地外の未舗装の路上へ机と椅子を運ぶ。
   隣の席になった紺色の制服の人が、
   よろしくと爽やかに社交的な挨拶をかけてくれるが、
   こんな校舎からも随分かけ離れた場所に追いやられている今は、
   それどころではないような気になる。

   昼すぎには、
   机も椅子も跡形もなく片付けられていて、
   すでに席替えのことなど誰も覚えてはおらず、
   波のそば、静かな音だけを
   聞いていた。

  ●2009.5.5(火曜日)

   少年達に誘われて、
   朝から断食で唄を。

  ●2009.4.24(金曜日)

   ゴーグル身に着け、
   300万馬力の超合金に乗って、
   唄を歌いに。

  ●2009.4.21(火曜日)

   DARK AGES OF TITAN

   RF .287 04 Kameyama
   2B .304 08 Waada
   3B .329 23 Omaruu
   1B .302 38 Ohiruda
   LF .280 11 Yao
   CF .278 28 Shinnjyou
   C .314 02 Sekikawa
   SS .278 00 Kuji
   P 4.40  Hopino

   PH .268 11 Natano
   PH .306 00 Kanamari

   RP 2.09  Touama
   RP 1.25  Kasaii
   CL 2.50  Tamura

  ●2009.4.20(月曜日)

   M HIGH SCHOOL

   3B Action Kamen
   2B Suneo
   CF Honkan
   C Terryman
   LF Bardman
   SS Seito B
   1B Dragon Taicho
   RF Garigori Hakase
   P Oyoyo Neko

   PH Debugon
   PH Megane

   RP Piccolo

  ●2009.4.15 or 16 or 17

   始発駅から終着駅まで83分、
   晴れた昼間の電車の窓の外、
   大きな建物の敷地全体が、
   20〜30cm水に沈んでいるので、
   歩くと足もとがずぶ濡れになるだろうか、
   と考えるうちに景色が通り過ぎていく。

  ●2009.3.31(火曜日)

   数年前にテレビで見かけて、
   珍しく気に入っていたドラマをDVDで観る。
   同じ出演者でこうも違う。

  ●2009.3.30(月曜日)

   ひどくつまらない映画をDVDで観る。
   恐ろしくつまらない。
   間違えて映画館に行かなくて良かった。

  ●2009.3.27(金曜日)

   マスクを身に着け、
   100mを3秒で走って、
   唄を歌いに。

  ●2009.3.11(水曜日)

   理科室で貸してもらった初めて見る鍵盤楽器は、
   楽器の弾けない自分でも、
   思いのままにメロディを奏でることができ、
   外国産のそれの、鍵盤部分はチョリソーでできている為、
   道理でキーレスポンスが程良いわけである。

  ●2009.2.20(金曜日)

   悪い夢に現れる、
   ピンク色の動物に見張られながら唄を。

  ●2009.2.3(火曜日)

   もう夜も3時47分(−6時47分)を過ぎてしまっているので、
   明日の学校の準備をしなければならない。
   麦酒を飲みながら、
   明日の理科の教科書を探すが、
   5つか6つ種類のある教科書の、
   そのどれを持ってゆくのか、
   明日の時間割りをそういえば知らず、
   せめて何か手がかりになるものをと思うが、
   何ひとつ見つからず、
   そもそも明日に理科の授業を受ける意味は果たして、
   もう随分と学校には登校をした記憶がなく、
   単位的なものが仮にあるとすれば足りていないはずであるし、
   補習かなにかみたいなことなのか、
   しかし教科書は見つかりようがないし、
   それにもし形式的に卒業みたいなものの扱いが済んでいるのであれば、
   明日に理科の授業だけ受けるのはいよいよ何の意味が、
   と思うので人に聞いてもみたのだが、
   二次的な試験かなにかみたいなものに備えて、
   というのが全く的を射ず何のことなのか、
   とりあえずやりかけのゲームを終わらせようと、
   セーブしておこうと思うので、
   色の変わる気味の悪い王室の間から先には進まず、
   毒の沼だらけの廃れた町を逆方向に戻ってゆこうとするが、
   間違えて町の住民に話しかけると、
   さあ、踊りましょうというようなことを言われ、
   素敵な音楽が流れ始めると、
   旅の途中でエンディングが始まり、
   スタッフロールが表示され始めるので、
   訳が分からないし、
   これではセーブができないから、
   どうしろというのだ、と思いながらも、
   この画面の写真を撮ろうとカメラを構え、
   エレキギターを手に持ちテレビの前にいる人に、
   ちょっとどいてと言ったあと、シャッターを押すが、
   テレビ画面を反射して、
   部屋の中やテーブルの上のものや、
   エレキギターの人の頭部などが写りこみ、
   うまくゆかないし、随分喉も渇く。

  ●2009.1.27(火曜日)

   満員の劇場の、
   約750ある座席の、
   最前列の最中央に座るという経験。

  ●2009.1.15(木曜日)

   唄を歌い、
   赤い飲み物を飲む。

  ●2009.1.1(木曜日)

   100分の1秒ずつずれてゆくので、
   断片的に絵が見えても、
   すぐに消えてなくなる。

  ●2008.12.31(水曜日)

   最終日没を見送って、
   それから数時間経過後、
   夜23時台に突入すると、
   テレビの受信可能な全チャンネルを、
   10秒ずつ順に録画してまわる遊び。

  ●2008.12.27(土曜日)

   1つの夜で3つの大会に出場せねばならないので。

   玩具屋でタイヤも買わねばならないし、
   大リーガーの為に、軟式ボールのB球を用意せねばならない。
   そもそも、それらの大会の、
   どれも開始時間を教えてもらってはいない。
   顔だけが何となく分かる人物たちと、
   それぞれ口約束を交わしたのみで、
   連絡先すら知らないから、これからが大変であるのだ。

  ●2008.12.26(金曜日)

   そのおばさんは、
   ブラウン管のテレビの上面から首だけを生やしているので、
   自ら其処らを歩くことができない。
   木片や紙屑の散らかる薄暗い畳の部屋で、
   ほら、おばさん写真だよって見せると、
   口にくわえて写真を受け取る。
   それにしても急遽引っ越しをせざるを得なかったにしても、
   こんな山奥では買い物もままなりませんな、
   と向こうの奥の部屋に居るおじさんに話しかける。
   おじさんの方は普通に自由に歩きまわることができるが、
   こんな誰も通らぬ林の中の2車線の道路の他に何もない山奥の家で、
   どうやって生活をしてゆくのだろうと、
   相当不便であろうなと考える。

  ●2008.12.4(木曜日)

   なくした靴
   ?

  ●2008.12.3(水曜日)

   夕方急遽、出かけてゆくと、
   兵隊のお兄さんがチョコレートを一切れくれて、
   暗い室内で唄を歌う。

  ●2008.11.28(金曜日)

   線路の下の悪い夢の唄。

  ●2008.11.14(金曜日)

   突然にやたらと流れ始めたTVCMが気持ち悪い。

  ●2008.11.12 or 13

   創作小説メモ

   「あたしは101の女。」

  ●2008.11.8〜9

   朝になっても明けない夜に、
   真白の筈の大雪の中、
   チェック柄がはみ出しているのを幾つも見つけては指摘する。

  ●2008.11.2(日曜日)

   メモ

   156、ニョロニョロ。

  ●2008.10.30(木曜日)

   神殿で転職。

  ●2008.10.29(水曜日)

   ビカビカの光、永久ループの音楽、
   それから、
   風と鶏肉にお別れを。

  ●2008.9.1(月曜日)

   目に見えぬ電波を使って、
   愛情のこもった贈り物(焼き魚)をバラまく。
   今日は品川辺りで。

  ●2008.8.27(水曜日)

   月と波音を想い、唄を。

  ●2008.8.10(日曜日)

   雨に濡れたぐにゃぐにゃに曲がりくねる泥の道、
   錆びれた踏切の警報器、
   森の脇の歩きづらい細道などをゆき、

   高層ビルとビルの間のアスファルトの舗装道路、
   大きな駅前ロータリーのそば、
   高速道路の真下の一般道の歩道をゆき、

   山奥のひとけのない狭い車道の、
   大きな滝の流れるその横を白いガードレールに沿うように
   まがりながらゆき、

   何度も景色の極端に変わる通学路を延々と歩き、
   ようやく学校に到着する。

   学校では、今日は席替えなので、
   席の配置図を見て移動するが、
   各自の机の側面がそれぞれ薬局の棚も兼ねているものになっており、
   自分の座るはずの席に多量の殺虫剤が並べられていることに関して、
   人の座る席がこんな環境であるのは果たしてこれはどうなのだと
   クレームを入れようと考えていると、
   白衣の薬剤師が現れ、
   どこかから剥がしてきた1枚の紙切れを差し出し、
   あなたこのメモにも席替えに関する苦情を書いていますよねというが、
   いや、そのメモは今からもう半年も前に書き込んだ別の内容のメモであり
   すでに廃棄もしたはずのもので、
   それは今回の席替えとは関係のないものであるという
   ことから説明しなければならず、
   いっこうに授業が始まる気配がない。

  ●2008.7.17(木曜日)

   まっすぐに歩けないから、
   プラスチックを拾いながら唄を。

  ●2008.6.27(金曜日)

   遠のく車輪の音色を添えた唄を。

  ●2008.6.15(日曜日)

   愛に溢れた音楽の流れる晴れた空の下、
   未来の通信機を手にしてしまった。

   鈍い黒色の石板に、
   赤い光の魚が泳ぐから。

   12個の中の7個の数字が、
   思い通りに並んだから。

  ●2008.5.24(土曜日)

   朝日に照らされた黒く湿った地面が、
   全体的に弾力のあるゴム状であり、
   そこに飾り包丁が格子状に、
   きめ細かく入れられたのち火で炙られたような、
   あのざらざらとした手触りだけが、
   脳の裏側の右上辺りから離れない。

  ●2008.5.5(月曜日)

   屋根の上に、鯨を飾り、
   食卓の焼き魚を噛み締める祭の日、
   少年たちにお招きを頂き、唄を歌う。

  ●2008.4.29(火曜日)

   対決の日。唄を。

   10点差をつけられても、
   打者は3塁から、2塁、1塁と順に、
   全力疾走で。

  ●2008.4.5(土曜日)

   糸電話を てにいれた!!
   耳あてを てにいれた!!

  ●2006.5.21(日曜日)

   昨日辿り着いた過去にて、
   本日はとにかく南の方角を目指す。

   トンネルを抜けてさらに向こう、
   夕暮れの空が異様に霞んで光っており、
   赤銀色の巨大な建築物が延々と並んでいるあたり、
   奥へ奥へと進んでゆく中、人の姿がほとんど見られず、
   朽ちかけたバスの停留所は、
   人がさらわれた後の目印としての役割のみ果たす。

   周囲の筒内を通過する気体の音に鼻の粘膜を悪くする頃、
   上空と、それを反射する水の床面が、
   双方向から線対称に赤く錆びていく。

   得体の知れぬ鳥居だけがある、
   手すりすらない足場の崩れそうな狭い崖の上から、
   数十メートル下の遠く寂しいコンクリートを覗き込み、
   足を滑らさぬよう注意する。

  ●2008.4.4(金曜日)

   木箱を てにいれた!!

  ●2008.4.3(木曜日)

   ロープを てにいれた!!

  ●2008.3.21(金曜日)

   花が咲くように歌を。

  ●2008.2.22(金曜日)

   鳥が鳴くように歌を。

  ●2008.1.25(金曜日)

   英単語を3つ繋げて、
   誰も作っていない暗号の組み合わせを探すのが、
   意外と難しい。

  ●2008.1.24(木曜日)

   混雑した電車内にて、
   眉をしかめ、真顔のまま、
   マスクの中だけ変な口をするなどして過ごす。

  ●2008.1.22(火曜日)

   耳元で1秒毎に聞こえる電子音。

   空気中を伝導する迷い児の想い。

  ●2008.1.17(木曜日)

   初春の唄を。

  ●2006.5.20(土曜日)

   過去へ出かける。

   過去は思っていた以上に、
   まるで過去のように時間が流れているので、
   その慣れない時間単位の中、
   一歩あるくごとに周囲を確かめる。

   陽の僅かずつ傾いていく昼下がりに、
   マボロシの人影とすれ違っても、
   幻のパッケージは手を触れると、
   消えてしまうかも知れないから、
   知らぬ顔してその横を通り過ぎる。

   時々、聞き覚えある物音が通過していく。
   川底にはまだ皿が沈んでいる。

   長い夕暮れもやがては夜に変わるので、
   そのとき私は生魚を食べる。

  ●2008.1.21(月曜日)

   *「サイハテより クロネコが
     しらない ひとに あいをこめて。
       ▼

   *「まよいご メイジの
     あつい きもちを かわりに。

  ●2006.5.5(金曜日)

   カウントダウン、0。
   少年の日の祭典に招かれる。

  ●2006.5.1(月曜日)

   プレゼント用の包装を頼み、
   自分が貰う。

  ●2008.1.12(土曜日)

   途方もないような気になっても、
   心配することはない、
   じきにおしまいになることばかりだから、
   せめて思い残すことのないように、
   すぐに消えてなくなるのだから、

   と頭の後ろ辺りから。
   誰。

  ●2006.4.24(月曜日)

   視線も定まらず唄を。

  ●2008.1.2(水曜日)

   かべにボールを当て、
   はね返って、
   バウンドしてくるのをキャッチし、
   かべにボールを当て、
   はね返って、
   バウンドしてくるのをキャッチし、
   かべにボールを当て、
   はね返って、
   バウンドしてくるのをキャッチし、

   繰り返しているうちに、
   辺りはいつの間にか真っ暗で、
   気がつくと準備が何ひとつできていないので、
   もう学習塾を休んでしまおうかどうしようかと、
   考えていたら、
   気がつくと今日は1月2日だから、
   学習塾もきっと休みだなと、
   考えていたら、
   そもそも、学習塾なんて通っていなかったなと、
   思い出し始めていたら、
   そもそも、学校にすらも通っていないなと、
   思い出し始めていたら、
   そもそも、

  ●2008.1.1(火曜日)

   海のそば
   とか
   国道沿い
   とか
   狭い裏道
   とか

   見知らぬ道、
   大人数が、
   それぞれ方々に散らばる。

   さかしまの国では、
   保育園の向こう側、
   西原の天幕の如き落陽。

  ●2007.6.30(土曜日)

   祭りの日に、唄を歌い、
   西瓜を食べる。

  ●2007.6.19 or 20 or 21

   ボールパーク近くのバッティングドームでは、
   ピッチャー返しを心がけるスイング。
   9つの的には、60km/hの剛速球でパーフェクトを。

  ●2007.6.18(月曜日)

   なだらかな坂道。
   東方の駅から、南西への歩行をやめる決心。
   名残惜しいのは焼魚。

  ●2007.6.17(日曜日)

   石の積まれた床下。

  ●2007.6.16(土曜日)

   床下に何かの生物の化石を発見。

  ●2007.6.15(金曜日)

   徹夜にて発掘作業。

  ●2007.6.14(木曜日)

   活動記録(1994年)

   スポーツ用品会社と魚肉練り製品製造会社の、
   ロゴの類似点についての学説を知人2〜3名に発表。

  ●2007.6.10(日曜日)

   夕日の沈む荒野。

   ペンギンと臙脂鳥の決闘を見にゆく。

  ●2007.5.28(月曜日)

   ツアー最終日。

   宇宙の日。

   銀河の楽団に誘われて、歌う。

  ●2007.5.22(火曜日)

   ツアー番外編。

   しゃらしゃらと鳴るストローク、
   月射病の迷い児の唄。

  ●2007.5.5(土曜日)

   ツアー中日。

   少年の祭典。

   ピストル持った子どもらに誘われて、歌う。

  ●2007.4.28(土曜日)

   徒歩10分圏内ツアー初日。

   唐傘おばけの日。

   流浪の旅人に誘われ、唄を歌う。

  ●2007.4.12(木曜日)

   唄。
   背番号10。
   水面の揺れる音。
   楽団と出会い。

  ●2007.3.22(木曜日)

   ライダーが、颯爽と唄を歌いに。

  ●2007.3.20(火曜日)

   幼少時の夢がひとつ叶い、
   胸の振子の音がする部屋、
   インクの香りを確かめて、
   そしてキャベツばかりを。

  ●2007.2.16(金曜日)

   向こうから聞こえる自分の声を、
   気にしながら唄を歌う。

  ●2007.2.10(土曜日)

   機械の導入。

  ●2007.1.31(水曜日)

   新年の挨拶、海の思い出、
   唄を歌う。

  ●2007.1.27(土曜日)

   過去から目を覚ましたら、
   イブプロフェン配合の薬を持ち歩く。

  ●2007.1.20(土曜日)

   みたび過去へ。
   軒並みシャッターの閉まる、
   閑散とした緑色の暗い夜道の一番街に出迎えられる。
   時間の流れが分からなくなる街の中で、
   黒猫だけその姿を見せる。

   2日後には乗り物に乗せられて、
   煙吐く煙突郡の脇を抜けてゆくと、
   液状に蠢くコンクリートのような海が見える。

   錆びたチェーンで入り口を閉ざされた廃墟のそば、
   人のひとりも居ない巨大テントの中で響き渡る音楽。
   ふと見回すと見つかるのが、最果ての遊園地の入場門。

  ●2007.1.8(月曜日)

   心地良く晴れた青空の日、
   去年と同じインド人を見る。
   夜は赤白の提灯の建物の裏手には、
   冷蔵庫の側に猫が。

  ●2007.1.1(月曜日)

   破れたフェンス、
   焼けた駐車場、
   の中で生活する人々。
   立ち退かないので、
   放置されたままで、
   朽ちていく敷地内。

  ●2006.10.9(月曜日)

   祝日の、ひとけのまったくない非現実的な時間帯の、
   国会議事堂前駅の地下鉄のまるいホームから、
   別の路線のホームまでを歩く長い道のり、
   後頭部6〜7分程まで水がヒタリと澱んだ、
   ぬるい静かな夢の中に居るようで、
   やがて工事中の緑の網の天井、
   白い鉄板の壁に背を押され、
   狭いホームの向こうの暗闇から、
   電車か又は別の何物か、
   うなり声をあげ近付いてくる、
   こんな場所で何かを間違えて、
   この場所、この時間帯から、
   永遠に抜け出せなくなったらさぞ寂しいのではないかと思い、
   気を付けねばならない。

  ●2006.4.10(月曜日)

   高熱にうなされる夢を見ていた
   あくまでも穏やかな春の真昼の歌声。

  ●2006.4.4(火曜日)

   サイレンの録音に成功。

  ●2006.3.29(水曜日)

   唄を歌いに出かけたはずの春の夜。

  ●2006.3.13(月曜日)

   うららかな歌声を。
   手風琴に乗せて。
   骨まで届け。

  ●2006.2.22(水曜日)

   ぬるいサイダーの唄を歌い、
   温かい珈琲を飲む。

  ●2006.2.16(木曜日)

   カウントダウン、残り3。
   催し物に誘われ、唄を歌う。

   見つからない物が見つからなくて、
   段取りの悪い音楽室の歌声。

  ●2006.2.3(金曜日)

   実験台が、椅子に坐って、
   音を聞かされ、光を見せられ。

  ●2006.1.27(金曜日)

   一通り歌い終えて気が済むと、
   あとは頭のおかしい人々を眺めながら焼き魚を噛む。

  ●2006.1.25(水曜日)

   初期設定の順序にて唄を。

  ●2006.1.19(木曜日)

   今、巷で流行っていない、
   「ワサビャー」と「ニンラー」と「ジンジャー」たちの念が、
   レトルトのカレーに、チューブの、
   わさびとにんにくと生姜を添えさせる。

  ●2006.1.14(土曜日)

   飛行機の座席の間を、
   あざやかに踊りながら、食券をもぎってゆく。
   白い食券の中に時々赤い食券が混ざっているのを、
   上手くさばく。

   その同時刻、過去では、
   花火が2発こちらに向かって飛んでくるのを、
   上手くよける。
   薄暗い明かりと大きなたき火の中、
   騒がしい祭りが行われている。
   出口を車を運転して出ていくと、
   出口の境界線からは真昼なのだけど、
   門のところがものすごい下り坂で、
   間違えてブレーキでなくアクセルを踏むと、
   出口の車道の真ん中に立ちはだかる大きな壁に、
   何回も激突しわははと笑う。

   家ではすっかり酔っ払い、
   大勢居る見知らぬ親戚たちの前、
   家に配達された数学と歴史の問題集の内容に、
   ひととおりケチをつけていく。
   そうしているうちに、発言すればする程、
   自分が浅はかに思えてくる。

  ●2006.1.4(水曜日)

   道路の脇の、水の枯れた、
   背丈ほどの深さの川の溝の中を歩く。

   横幅のある溝を延々と歩いていると、
   時々雑草の上に、楽器や家具や、色々見つかる。
   興味をおぼえた家具の、
   引き出しなどを開けてみようかと思うが、
   幾日も野ざらしの木製の家具の、
   中身の何らかの変化を考えると怖いので、
   触らないことにして歩く。

   そろそろと思った地点で地上にあがり、
   向かいのフェンスの破れた隙間からグラウンドに入る。

   教室では「それではみなさん良いお年を」と、
   その挨拶を合図に山ほどの紙ふぶきで足元が埋まる。
   すると100個のピコピコハンマーが用意され、
   皆で笑いながら互いにめちゃくちゃに殴り合い、
   ヘトヘトになって帰る。

  ●2006.1.2(月曜日)

   ニラや白菜かなにかの料理、魚のつみれかなにかの料理、
   オレンジシャーベット、それぞれ銀色の給食のような食器に。
   晴れた空の下、1番ウッドを手に持って、
   颯爽と歩いてゆく。

  ●2006.1.1(日曜日)

   リヤカーの荷台にて、
   山道を運ばれながら、
   2か所で大きく割れて、
   もはや円形を保っていないレコード盤を、
   どうやって気付かれずに返そうかを考える。

  ●2005.12.26(月曜日)

   唄を。珈琲を。壁を。

  ●2005.12.21(水曜日)

   唄を。

   東の空の飛行機に手を振って。
   見たこともない砂浜の真ん中を。

  ●2005.12.15(木曜日)

   「ゆううつ」と漢字で書いてある空き缶を、
   自動販売機横のくずかごに捨てて振りかえると、
   途端に無数のカメラのシャッター、
   記者会見が始まったので、
   私は来年は盗塁王を目指したいです、
   ときどき痛む左ひざで、
   うまく走れるかどうかも分かりませんが、
   霞んで見えない27.431メートル先の彼方を目指して、
   闇雲に走ってゆきたいとおもいます、
   という言葉を思いつつも口にしようか考えていると、
   どうやら会見もシャッターの光も、
   それらは思い過ごしだったらしく、
   空き缶に書いてあった漢字も後から思うと、
   あれは「びとう」と読むのではないかと。

  ●2005.11.30(水曜日)

   霞んで見えぬ向こうへ、
   上手く歌えない唄を。

  ●2005.11.18(金曜日)

   穏やかな気持ちで、
   魚を食べたい。

  ●2005.11.14(月曜日)

   唄を。
   歌うよりも、他の人の演奏だけ聴いて、
   気分良く帰ってもよいところ、
   そこを強引に、無理矢理に唄を歌う、
   空き地のみかん箱の上。
   内容は、タミフルを、
   何か別の物と言い間違えた気のする、
   些細なトークショー。

  ●2005.11.1(火曜日)

   サーカスガ来たよ。

  ●2005.10.30(日曜日)

   じんじょうでないきかいのふちょうに、
   ことばをでんたつするしゅだんのうちのひとつがふべんでならず、
   しかしそれよりもほんじつはうたを、
   なんどもうたいおぼえのあるおなじようなうたばかりを、
   うたをうたい、うたをきき、
   めをさますとずいぶんとおいさらばえている、
   そんなゆめ。

  ●2005.10.22(土曜日)

   便利な道具の初期不良、
   親切、丁寧なアフタアサアビス、
   出前迅速、摩訶不思議、
   謎のリモコン、「Ver2.62」って何?

  ●2005.10.12(水曜日)

   23
   キシキシ
   ?

  ●2005.10.10(月曜日)

   便利な道具。
   21世紀は未来。

  ●2005.10.7(金曜日)

   唄を。

  ●2005.10.2(日曜日)

   きかいの ちょうしが
   いちじるしく わ

  ●2005.9.29(木曜日)

   20年に一度の彗星。
   海月とともに増殖。
   近年の異常気象。

  ●2005.9.28(水曜日)

   青い駅を降りて歩いて、
   あおい色した唄ばかり歌う。

  ●2005.9.27(火曜日)

   オレンジジュースと、梅のジュースと、
   ビタミン1錠と、期限の過ぎた風邪薬3錠。

  ●2005.9.23(金曜日)

   リュックの中には、ファーストミット。

  ●2005.9.20(火曜日)

   どうも頭の上を車輪が何度も通り過ぎているような、
   そんな思い過ごしの遠のいてゆく音。

  ●2005.9.14(水曜日)

   車輪の真下の夢を、また思い出したので。

   遠のく夏の音。
   左胸の焦げたような心地。
   鳴り止まぬ子守唄。

  ●2005.9.10(土曜日)

   憂鬱をひとつ駅のごみ箱に。
   明日で時間切れ。

  ●2005.8.31(水曜日)

   夏の宿題が終わらない。

  ●2005.8.30(火曜日)

   随分長く、遠い、
   薄暗い高架の通路を延々と歩く。
   遠く向こうに見える、地上に降りてくる階段の出口からは、
   水泳の帰りの人々が。
   一旦改札を通って外に出なければならなくて、
   その頃には外はすでに夜に。
   改札を出ると、白く積もった雪の中、
   途端に寂れた街の中を歩く。

   今日は夜が二度訪れたので、
   次の夜は電車で地下に潜ってゆき、
   唄を歌いに東の方角へ。
   隣の座席に忘れられたケーキの箱とともに。

  ●2005.8.27(土曜日)

   国境内にあるのかないのか、
   地図には随分と隅に描かれている小さな島の、
   青い空。
   土で造られたドーム型の家がいくつも、
   似たような形でそれがいくつもあちこちに、
   間違い探しの迷路のように、あちらこちらに。
   玄関はドアが取り付けられていないので、
   時折よその家に上がり込んだり、家と家の迷路のあいだを、
   うろうろと迷って遊んだり。
   やがてひとけのない昼間の海に辿り着き、
   現在は何も通ることのない錆びれた線路のそばで、
   何も近づいてきていないのに踏み切りの音だけが、
   遮断機もなにもなく、赤いライトと警報機の音だけが、
   昼間に甲高く鳴り響くばかりの青い空。

  ●2005.8.22(月曜日)

   最終電車で、間違えて反対方向の車両に乗ってしまったから、
   雪の降る中、随分と遠く、見たこともない所まで運ばれているので、
   一刻も早く次の雪だらけの無人駅に降りた方がよいのか、
   それとも、もう少し先に誰か人の居る大きめの駅があるのか、
   それが車両内の路線図からでは見当もつかず、
   帰りの道も分からない、空が真白に明るい夏の夜。

  ●2005.8.21(日曜日)

   薄暗い小屋の中で、小さな物音の夢の実演。

  ●2005.8.19(金曜日)

   線路の下で、頭上の車輪、西の方角の、
   電車の音に、想いを馳せて。

  ●2005.8.15(月曜日)

   川の周辺ではパトカーやヘリコプターの騒々しい、
   そんな静かな蒸し暑い夏の昼間。
   夜は夜とて雷と集中豪雨で。
   憂鬱のどざえもんは、今頃どれくらいの深さまで。

  ●2005.8.8(月曜日)

   豆腐売りの若い娘がラッパを吹いて、
   交差点の信号機の真下にリヤカーを停めている夏の夜。

   その日、私は夏祭りのような夢の中で唄を。

  ●2005.8.7(日曜日)

   電車は途中で姿を消して、
   深夜のがらんどうの住宅街、
   5kmの道のりを歩くあいだ、
   さっきからずっと聞こえている音楽。

  ●2005.8.5(金曜日)

   息の苦しい真夏日の、
   自転車のサドルの、
   女学生のスカートが、
   ずっと風で、絶えずめくれ過ぎているので、
   「あなた、ちょっと絶えずめくれ過ぎていますよ」と、
   声をかけた方が親切なのかどうか。
   そんなこともお構いなしの、夏の日。

   自動車の助手席の思い出。

   前方の信号待ちの車の後部座席の、
   見知らぬ子たちとのじゃんけんの対戦成績。

   0勝0敗2引き分け。

  ●2005.8.4(木曜日)

   自動車の助手席の思い出。

   見知らぬ道路を運ばれて、
   ぐにゃぐにゃの道のりの丘の、
   巨大な木々の陰から、
   思いもかけず遊園地の大きな入口が姿を。

  ●2005.8.3(水曜日)

   2、3にちほど、
   ゆくえふめいに。
   からだはそのばに、
   おいたまま。

  ●2005.7.26(火曜日)

   雨の中、唄を。

   十年前の晴れた日を思い出しながら。。

  ●2005.7.23(土曜日)

   ,f@l:k3.nr@kutk94u>

  ●2005.7.22(金曜日)

   室内の修理。

  ●2005.7.15(金曜日)

   脳に記憶していた物事の消去が実行され次々とすべて消えて行くので、
   食い止めなければ、食い止めなければ、
   食い止めなければ、食い止めなければ、
   でもどうやって。

  ●2005.7.14(木曜日)

   数え切れぬ程の忘れ物をしてしまったから。

  ●2005.7.12(火曜日)

   女主人の助手の見た夢。

  ●2005.7.10(日曜日)

   絵描きの助手の見た夢。

  ●2005.7.9(土曜日)

   自転車に乗って、できるだけ近道を急がなければならないので。
   見知らぬ人の家の敷地の中を「すいません」と自転車で。
   ハンバーガーショップの狭い店内を自転車で。
   意外と知っている人に出会うので「やあどうも」と挨拶をしつつ、
   駅前のバスターミナルの上空の通路の、
   あちこちの小さな階段部分はがたがたがたとサドルの振動はひどく、
   随分余計に遠回りで、時間ばかりかかってしまうことに後悔を。

  ●2005.7.6(水曜日)

   骨を叩いて手応え確かめる。

  ●2005.7.5(火曜日)

   箱の横で眠る。

  ●2005.7.4(月曜日)

   巨きな男の足の振動、
   天井の通過の車輪の振動、
   胸の遠くのかすかな波音。

  ●2005.7.2(土曜日)

   地上2階のあの世では、
   誰かのお誕生日が。

  ●2005.6.29(水曜日)

   青い地下鉄に乗って唄を。
   手風琴の迷い児もさらって。

  ●2005.6.27(月曜日)

   線路のましたで、次回に歌わぬ唄ばかりを。

  ●2005.6.25(土曜日)

   線路のましたのあの世でうたを。

  ●2005.6.22(水曜日)

   東の方角に数百km。

  ●2005.6.21(火曜日)

   西の方角に数百km。

  ●2005.6.13(月曜日)

   現代から隔離された敷地では、
   タイムスリップしたかのような時の流れ、
   ひとけのない真っ直ぐの通りに、
   スピーカーから穏やかなチャイムが延々と、
   延々と、延々と、延々と。

   規則正しく、静かに、壊れている。

   場所を移しては駅の階段で、
   赤くひろがる血をよけて人々が。

   そのどちらに現実味を、
   そうでなくてもいつも私はどんな顔したらいいですかって、
   そんなことよりも、
   人に同じ事を何度も聞いているのにも自覚がない様子。

  ●2005.5.25(水曜日)

   唄を。
   青い電車に乗って。

  ●2005.5.20(金曜日)

   線路の真下で唄を。
   いつにも増した不安定の音色散らかして。

  ●2005.5.18(水曜日)

   意外なぬり絵の才能に。

   締め切り間近の絵描き屋の、
   カラーの用紙を図工の気分で色鉛筆で。

  ●2005.5.11(水曜日)

   無意味な記録の達成。
   普段あまり縁のないゲームセンターに、
   100日連続で通うことに成功。
   同じ店に連日で通わない自分ルールにより、
   毎日各駅にてゲームを。
   あの唄の日も、待ち合わせの日も、
   その前後の時間にはゲーム。
   すっかり頭の中がゲームに。前歯もすっかり。
   そんな毎日。
   後にも先にもない記録の達成。
   メリットはない。

  ●2005.5.10(火曜日)

   may児たちのこの時期の憂鬱は、
   あとどれくらい。
   あと何百日。あと何千日。

  ●2005.4.25(月曜日)

   「朱赤アカ(シュアカアカ)」と名乗る黒人の国王が、
   すいません、これどこに停めたら良いですかって、
   白いスクーターを押しているので、
   「それでは、図書室の裏の花壇の辺りに停めてください」と、
   それだけ伝えた時点では、
   彼に見せるはずのフィルムアニメの準備が、
   カーテンを閉めた図書室の中では間に合っていないらしいので、
   致し方なく彼には、
   そのフィルムの物質的な外観だけを手にとって眺めてもらう。
   その後、皆で電車を各駅毎に降りて、
   買い物をしたり街を歩いたりして、
   ときには建物の2階の窓の外の手すり部分を綱渡りのように歩き、
   そしてまた電車に乗っては西の方角を目指して帰ってゆく。

  ●2005.4.18(月曜日)

   唄を。
   歌いながら、
   考え事をしながら、
   間違えながら。

  ●2005.4.13(水曜日)

   唄を。健康的に。

   麦酒を頼んだ人が麦酒を受け取っていて、
   意外な気持ちで眺めながら。

  ●2005.4.6 or 7 or 8

   しゃくねつのたいようのした、
   あたまがぱーになってしまったのだろう。
   くらやみのみしらぬへやのなか、
   しかくいまどわくのそとでは、
   むすうのりゅうひょうのうえにぺんぎんがいて、
   ながれてどこかにいってしまった。

  ●2005.4.5(火曜日)

   サーファーが、サーファーの格好をして、自転車に乗って信号を。

   降ろされたシャッターには、四角い穴が2つあいていて、
   そこからふたつの犬の首がきょろきょろと。

   自動ドアが開くと、夜空の屋根の室内で、
   チンドン屋の太鼓のおとや鐘の音が、
   姿も見せず、移動してゆくので。

   私は咳きが止まらない。

  ●2005.4.1(金曜日)

   いつもなら朝食に水ヨウカンにバターを塗るところを、
   今日は試しに水ヨウカンではなく食パンにバターを塗ってみると、
   意外にもバターが食パンによく合うことを発見。
   朝食をとり終えると、黒塗りの、運転手付きの乗用車に乗って工場へ。
   緑色の汚れた制服に着替え、いつもの勤務に。
   業務内容は、ガスコンロで、ペンチで挟んだピアノ線を熱し、
   黒色のプラスチックの板に熱で穴をいくつもいくつも開けていく作業。
   給与は歩合制なので、
   ピアノ線にて穴を、できるだけ開けた方が良いので、
   黒色のプラスチックのあちこちに、もう本当にやたらめったに穴を。
   仕事を終え、帰宅すると、
   天井の高いシャンデリアの下で、
   パッヘルベルのカノンを聴きながら、
   ダンボール箱の机の上で薔薇の模造品をいくつもいくつも。
   そうしてそれが一段落すると、緩やかな時間の流れの中、
   グラスのワインを飲みながら、皿いっぱいのひなあられを。

   そんな一日。

  ●2005.3.27(日曜日)

   見た目はN、中身はR、
   26点取られても、
   がんばれ、ぴぴ監督。

  ●2005.3.18(金曜日)

   唄を。
   歌っていた気が。

  ●2005.3.13(日曜日)

   夜のこんな時間に、
   学校のチャイムは、
   何時間目の合図を。

  ●2005.3.9(水曜日)

   唄を。
   歌っていたのか、
   歌っていなかったのか。

   呼吸が困難。
   まばたきが困難。
   しずかな地獄がやってきた。

  ●2005.3.4(金曜日)

   ノイローゼもいいかげん、
   どがすぎることをどれだけせつめい、
   すれどそれよりきょだいなかいぶつ、
   しずかにましろにとつぜんにむさべつに、
   それぞれをうめてしまってゆくので、
   ちいさなものはすべてそのしたじきに、
   ねがわくばいちばんさいごには、
   かつてないりょうのそれをながめて、
   すべてがどうじにうまっておしまい、
   ぬけがけなしで、きれいなおしまい。

  ●2005.3.1(火曜日)

   それは黒いボロ布切れではなく、
   10年くらい着ている私の上着。

  ●2005.2.28(月曜日)

   唄を。散漫な集中力で。

  ●2005.2.27(日曜日)

   巨大な前歯がキラリ。
   ゲームセンターで百円1枚で1時間40分遊ぶ。

   「二級」から「青龍・初段」の称号を得る。

  ●2005.2.26(土曜日)

   うなるかすかな物音。
   ささやく轟音。

   コンクリートの地下室へ。

  ●2005.2.24(木曜日)

   60代か70代の酒を呑んだ黒眼鏡の男が、
   全力疾走で目の前の車道を走り過ぎる。
   足が速い。

  ●2005.2.22(火曜日)

   悪い夢の中のような見世物小屋へ出かける。

  ●2005.2.18(金曜日)

   無許可で貼った4枚の張り紙。

   1枚は、翌日に剥がされる。
   1枚は、数日後に剥がされる。
   1枚は、しばらく経ってから剥がされる。
   1枚は、誰も剥がさないので自分で剥がす。

  ●2005.2.16(水曜日)

   電車を乗り過ごしたので、逆方向に乗り換える。
   夜だったか、地下鉄だったか、窓の外は真っ暗で、
   しかし時折踏み切りの赤い光が通り過ぎるのを見て、
   夜の外の景色であったことを思い出す。
   車内放送に耳を傾けるが、次の停車駅が聞き取れない。

   「次はー、○○、○○、
    お出口は変わりまして左側です。
    次の停車駅にて、ギャクダマの為、少々車両停車します。」

   「…えー、ギャクダマと云いましても、あれなんです。
    お客様のギャクダマによりまして、
    えーまあ、うまく、あの世にお送りするとか、
    うまく対応したいと思います。」

   「お客様の中にもし医者の方がおられましたら、
    宜しくお願いします。
    次はー、○○、○○、
    停車までに少々お時間がかかります。」

  ●2005.2.14(月曜日)

   高架下で唄を。
   思い出したように。

  ●2005.2.13(日曜日)

   夜、勘違いで迷い込んだショッピングビル。
   エレベーターの中から最上階のボタンを。

   ドアが開いた瞬間から、思いがけず、楽しげな音楽だけが、
   さびしく、さびしく、どこかのスピーカーから。

   電気が落とされ、暗い物陰で止まったままの、
   船や木馬や機関車が。

   建物に四方囲まれた四角い夜空、半月の下、
   広場にもベンチにも人ひとりなく。
   楽しげな音楽だけがスピーカーから、
   さびしく、さびしく、聞かせる相手もない夢の跡に。

   思いもかけない空間への漂流に、
   茫然と立ち尽くす。

  ●2005.2.1(火曜日)

   真っ赤な帽子に巨大な前歯で。
   アーケードゲームを。

   「十級」から「六級」に昇格。

  ●2005.1.31(月曜日)

   底面に穴が空いていた1月。
   思い出せもしない遠い昨日。
   思い違いの心配事さえ、
   抱えることすら気の重い。

  ●2005.1.24(月曜日)

   狭い路地。
   大きなトラックが、豪快な運転で、
   路上に駐車している車の、ミラーや窓を壊しながら通り過ぎていく。

   夕方までに帰るはずが、辺りはいつの間にか真夜中に。

   エレベーターは、押してもいない階ばかりに止まり、
   その度に用のない事務所や飲食店に入って行っては、
   「すいません」と言いながら非常口から外の非常階段を降りて、
   エレベーターに乗り直すのを何回も繰り返す。

  ●2005.1.18(火曜日)

   たて続けになくし物。
   返してください。

  ●2005.1.17(月曜日)

   今度は二人がかりで、駅の別室に連れて行かれる。
   冗談ごっこにしては度が過ぎるなあとにやにやする。
   どんな遊びなのだろう。ルールを教えて欲しい。

   なにやら何者かに私が似ているらしい。
   マスクをした男が向こうの部屋から私の顔を覗き見ている。
   どんな端整な顔立ちの人物と間違われているのだろう。
   写真を見せて欲しい。

  ●2005.1.3(月曜日)

   青い空。
   真っ直ぐに白い切れ目が入っていくのを見つける。
   これからあの巨大な青は、裂けて何か中身があふれ出てくるかと、
   そんな気もしたが、でもあれはまるで怪物だから、
   目をそらした隙にその傷跡は、何事もなかったように消えていて。
   それはとても太刀打ちできなそうな様子で、
   さわやかに、不気味な気配も感じさせずに大きく覆い被さっていて、
   そんなあれが、時によっては、
   予期する以上に、尋常ではなく、赤く変色していたりする。

  ●2005.1.1(土曜日)

   記憶に残らないバラバラの破片。
   思い出せもしない青く晴れた空の下。

   前日の大雪の地面の踏み心地を確かめながら、
   雲ひとつなく青くきれいにまるい空と、遠くに白く霞むフジヤマ。

   夕方にはいつしか現れた巨大な竜のような雲に、
   夕陽の赤色が染み込んで南西の方角の山が大火事みたいに。

   メリハリの有り過ぎる景色。

  ●2004.12.30(木曜日)

   気が狂う夢を見る。

  ●2004.12.23(木曜日)

   船に乗って出かける。
   フェリーのような。

   見知らぬ街は、奇妙で、懐かしい。

   夜。
   木造の家屋が両側に並び、真ん中の極端に狭い通路、
   汚れた半透明のトタンの屋根、裸電球、
   どの家の前も屋台のようになっていて、
   そのどこからも焼き鳥の煙、木のテーブルには麦酒。
   それが延々と続いていて、まるで長屋のアーケード。
   もう本当に向こうまで。屋根付きの極端に狭い通路が。延々と。

   朝は、あちこちに錆びた巨大な看板。
   廃れた商店街。そこで人々が生活を。

   ボロボロの服の浮浪者が50円をくれるという。
   「いや、いいよ」というのだけど、
   どうしてもくれるというから、
   その50円玉を受け取る。

   着物を着た女性が何人もトンネルの向こうから歩いて出てくる。
   そのトンネルの方に進行方向を変えて入っていくと、
   トンネルは次第に狭くなってゆき、
   最後は身体がギリギリ引き抜けるかどうかの、不安な狭さに。

   なんとか身体を引き抜くと、そこは昼下がりの眩しい海。

   防波堤では先客が何人も、座って海を見ている。

   建物の中では奇形の、
   半分だけ人間の人の出題するクイズに答えて、
   得体の知れぬ具の天ぷらなどをもらったりして過ごすが、
   皆で、
   きっと忘れるね、きっと忘れるね、と、
   確認し合うように話す。

  ●2004.12.17(金曜日)

   テレピで、きのこアドバイザーを名乗る男が、
   きのこへの熱い想いを、
   周りに理解されることもなく、
   淡々と語る姿に感銘を。

   自分は、きのこに大した知識がある訳ではないが、
   それでもベニテングダケやシャグマアミガサタケなど、
   図鑑の写真で眺めると不思議で、そして楽しい気持ちに。

   ゲームで有名なあのひげ男が、
   赤いきのこを食べて大きくなるのは、
   あれはきのこで頭がおかしくなって、
   気持ちが大きくなっているのだと思う。

  ●2004.12.16(木曜日)

   3人で遊ぶ。明かりの下で。
   さびしい波音。愉しい思い出。

  ●2004.12.14(火曜日)

   飲み屋街で、ギターを背負い、さすらう。

   冷たい風が、俺の心をじかにさするんだ。
   バーのカウンターには、空になったグラスと一緒に、
   俺の大切な遠い日の思い出を、ひとつ置いてきてしまったよ。

   などという訳でもなく。

  ●2004.12.13(月曜日)

   生魚ばかり食べているようではと思い、
   最近はよく焼き魚を。
   皿に盛られた焼き魚の山の、
   今夜はその他に主食も何もなく、
   気が触れたみたいにその焼き魚ばかりを。

  ●2004.12.10(金曜日)

   ずっと探していたレコードを、
   見つけてきてくれる。

  ●2004.12.6(月曜日)

   エレベーターで4階へ。
   ウサギ小屋の中にはピアノ。

  ●2004.11.30(火曜日)

   赤と青と緑の月光。
   12月に歌わない唄ばかり歌って、
   何の練習にもならない。

   多様な表現者の集まる線路の下。

  ●2004.11.24(水曜日)

   昨晩。
   購入したばかりだという車に乗せてもらい、
   スリルのある体験をする。

   どうやら死なずに済んだらしい。

  ●2004.11.23(火曜日)

   今日もまた同じ場所で、
   「人を探してるんだけどあなた斉藤さんじゃない?」
   と聞かれる。
   折角今日は斉藤らしくない様子で歩いていたのに、
   どういう事だ。

  ●2004.11.18(木曜日)

   最近やたらと警官や私服鉄道警備隊に呼び止められる。
   なんだか集中的に声をかけられている気がするのは、
   自分にすごくよく似た偽物が悪さをしているからに違いない。

   そうか、斉藤だ。

  ●2004.11.15(月曜日)

   憂鬱の2階で歌い慣れた唄を。
   不安定な歌声、呼吸の仕方に気を付けて。
   もうひとりの迷い児は、手風琴とメロディオンを持って、
   遠い西の彼方から、電車に揺られて国境を超えて。

   6日前の記憶。
   やはりこの場所で唄を。
   他人の演奏では、
   最前列で敷布団の上で仰向けの姿勢で、
   天井を見つめながら目を閉じながら、
   轟音の音楽を聴く体験を。

  ●2004.11.12(金曜日)

   サーカスの練習を。
   淋しげなサーカスの。
   選りすぐりの迷い児を、
   今宵は2名さらってくる。

  ●2000.5.6(土曜日)

   終電がなくなったので
   カラオケ屋に行って
   野菜をゆがいてもらおう。
   あと白身魚も
   買っていこう。

  ●2004.10.30(土曜日)

   小さな商店の開店。

  ●2004.10.26(火曜日)

   「斉藤さんですか」と聞かれるので、
   「いえ違います」と答える。

   もしかしたら自分の方が思い違いをしていて、
   自分は斉藤さんだったのではないか思うと、
   もし「はいそうです」と答えていたら、
   それからの私はどうなっていただろうか。

   斉藤さんは、どんな人だろう。

  ●2004.10.25(月曜日)

   今日の着こなしのテーマは薄汚さ。
   それが普段着でもあるのだから便利なものである。

   そして唄を。今日もまた手風琴奏者と共に。
   丁寧さと安定感に欠ける演奏を。

  ●2004.10.23(土曜日)

   館の頭脳を司る、機械室の内部では毎日エラーが繰り返される。

   複数の機械が不調で、本来はすべてを早急に取り換えたいところだが、
   程遠く無理なので仕方なくそのうちの一部分だけ、捨て値の機械を購入。

   これで印刷方面に関してはやっとまともな作業ができる。

   しかしながらその機械と接続している、別の主要の機械が古すぎる為に、
   写真印刷など、印刷機械の本来持っている機能の半分も使えないことが判明。
   その上、印刷機械を操作する為のその主要の機械が壊滅寸前であるので、
   根本的解決に全く至らない。

   この廃墟の内部は、機械室の中までも老朽化がひどい。

  ●2004.10.18(月曜日)

   夜に自転車で道に迷う。

   ペンギンの写真の本を見る。

  ●2004.10.11(月曜日)

   機械の調子がとても悪い。
   嫌になる。

   誰か機械をください。

  ●2004.10.9(土曜日)

   一日中外に出ず、カーテンすら開けない日。

   まさか屋外があんなに大変だったとは。
   異様な気象の連続の、どれに驚いたら良いのか、
   きっと麻痺してしまっている。

   お陰で雨の上がった夜の商店街は閑散として。
   アンバランスにひとけのない通りは、過ごし易くて気持ち良い。

   大雪が降ったら、繁華街に出かけよう。

  ●2004.10.8(金曜日)

   出発の予定時間より2時間早くの出発を目指しても、
   待ち合わせ場所を近所にしてもらっても、
   結局また遅刻してしまうので手のつけようがない。
   時間の流れ方が絶対に一定ではないので、
   いつまでたっても分からないルールの種目に参加している気持ち。

   夜は唄を歌う。時間も空間も、雨音も忘れる扉の向こうで。

   演奏の人は、アコーディオンとメロディオンを奏でる。
   当日まで迷っていたけれど、段々と過ごしやすくなってきた気候、
   月の病の子らだって、忘れてさえいなければ、
   きっと帰ってきますもの。
   そんな唄を、試しに歌ってみたりする。

  ●2004.9.27(月曜日)

   唄を歌う。ひそやかに。
   手風琴やメロディオンの音色も加わる。
   不安定な歌声で、不安な気持ちを思い出に。

  ●2004.9.21(火曜日)

   空から、晴れ渡った上空から、
   何メートルもの巨大な鉄球が幾つも幾つも落ちてきたら、
   もうどうすることもできないと思う。

  ●2004.9.19(日曜日)

   15分間の日曜大工。

   猫がエアコンの室外機の3股ホースを爪でボロボロにするので、
   補修用の粘着テープを選んで購入、外側だけでも補修する。

   自分へのご褒美に今日はアイスを2つ、夜は生魚を食べる。

   ベランダにはいつも猫がいて、最近は猫じゃらしも生えているので、
   退屈しない。

  ●2004.9.10(金曜日)

   いろんな出し物の衣装を着た仮装の人たちの間を通り抜けて、
   プールで行われているというサーカスを観にゆく。
   薄暗い室内プールで何かの水棲哺乳動物が泳いでいるが、
   室内が暗くて、水流もかなり早いのでよく見えない。
   やがて、ただぐるぐると泳ぐだけの水棲動物を眺めながら、
   「サーカスじゃあないじゃないか」と気付く。
   ガラガラの客席で、面白味のあまりない薄暗いサーカスのプールを、
   しばらくの時間そこで眺めて遊ぶ。

  ●2004.9.3(金曜日)

   薄暗い線路下の小屋に出かける電車の中、
   短い夢を幾つか見る。

  ●2004.8.27(金曜日)

   夏の宿題が終わらない。

  ●2004.8.21(土曜日)

   大勢で、それぞれが街の通りや隠し地下道などを通って、
   一斉に出会う約束をする。

  ●2004.8.11(水曜日)

   機械の調子が悪い。

   この館の維持も危ういものである。

  ●2004.8.10(火曜日)

   民族楽器の三線に触れる。

  ●2004.8.6(金曜日)

   知らない人に中国人と間違えられる。

  ●2004.8.5(木曜日)

   やれ、空飛べるけどさ、
   使う人の珈琲、飛べてないじゃんてばさ。

  ●2004.8.4(水曜日)

   記憶違いの思い出の唄。

   風邪ひきの午前中の、
   ストローで飲んだ冷たいポカリスエットの、
   あのときの味。

   とは無関係。
   朦朧として。
   記憶違いの思い出の唄。

  ●2004.8.3(火曜日)

   夜のバスが来るまで、
   ショッピングビルのエレベーターを、
   最上階まで昇って降りてきたりして待つ。

  ●2004.7.30(金曜日)

   即興演奏の出し物に参加。
   できもしないことをしてくる。

   音の小さい玩具のキーボードは、
   早くから弾くのをあきらめ、
   ギターにて共鳴や不協和音を。

   困った顔をしながら楽しむ。

   そして多彩な出演陣も思い思いに。

  ●2004.7.27(火曜日)

   燃える大きな建物。
   上層階から火がまわる前に、
   皆で階段を駆け下りる。

  ●2004.7.25(日曜日)

   西の果て、唄を歌う。
   手風琴の音も混ざり、
   小屋は深海に沈んでいく船と化す。

   夏のツアーの初日。

  ●2004.7.19(月曜日)

   とある人物と3度目の秘密会議。

   彼に4分58秒のイタズラをされる。

  ●2004.7.18(日曜日)

   西のサイハテの、
   飲食店の3周年記念日の翌日。
   益々の発展を。と言い忘れる。

  ●2004.7.17(土曜日)

   壁の向こう側。姿の見えない楽団。
   リコーダーとピアニカと小太鼓と大太鼓の音色が、
   壁の向こう側を通り過ぎてゆく昼下がり。

  ●2004.7.16(金曜日)

   テレビの横にあるのは、
   選挙速報の報道番組を、
   各チャンネル10秒ずつ順番に、
   延々と録画をして遊んだときのビデオテープ。

   部屋を片付けていて出てきたのは、
   10年ほど前の、
   テレビの通販番組ばかりを編集したビデオテープ。

  ●2004.7.15(木曜日)

   以前購入したスペアのギターで、
   初めて自分の曲を弾いてみる。

  ●2004.7.9(金曜日)

   球体の夏。
   階段上がった洞窟の中で、唄を歌う。

   小屋の外で壊れたスピーカーに腰かけて、
   楽器を弾きながら客寄せを試みるが、
   全く上手くゆかず、靴磨きの少年の気持ち。

  ●2004.7.3(土曜日)

   随分のあいだ水の中の感触を忘れている。

   屋内の、薬品の匂いのする温水プールで泳ぎたい。
   晴れた帰り道では眠くなり、家ではアイスを食べたい。

   それから永遠の夏休みが始まるのだ。

   8月31日が永久に来ない夏休み。

  ●2004.6.24(木曜日)

   何の興味もなく眺めた占いに、「金運、◎」と書いてある。

   二千円を拾う。
   そのあと二百円を拾う。
   そのあと一円を拾う。

   これは誰かからの自分へのご褒美か。
   それとも何か試されているのか。

  ●2004.6.23(水曜日)

   初めて見る生き物。
   レビスレビスやエボシカメレオンと目が合う。
   僅かに意志も通じていたかも知れぬ。
   カメレオンは、本当に漫画のキャラクターみたいに、
   右目と左目がバラバラにきょろきょろしていて、
   変テコである。

  ●2004.6.22(火曜日)

   からっぽという名の、幻のスタジオにて、
   唄をひとつだけ録音してくる。

   限られた時間で、不完全な唄と演奏を残してきてしまったが、
   反省はすれど後悔はせず。

   5分間ぐらいの魂を、吸い取られてきた。

  ●2004.6.21(月曜日)

   大雨暴風の中、
   シャッターを閉めた建物の中から、
   なぜか楽器の音色が聞こえてくる。

   新しいおばけ屋敷の出現。

  ●2004.6.20(日曜日)

   風力の特に強い川沿いにて、
   強風に反対方向に体重をかけて十何分も立っていると、
   ジェットコースターのように抵抗を受け、
   無駄に体力を消耗するのだ。

  ●2004.6.18(金曜日)

   朝の占いが1位だったからって、
   もともとそんなものだけをあてにして生きてはいない。

  ●2004.6.17(木曜日)

   腕時計のベルトを直した。
   文房具の綴りひもを使って靴ひもを直した。
   修理に出したカメラが1日で手元に返ってきた。
   直接カメラメーカーに持って行ったのが良かった。
   あとまだ残る心配は、
   ときどき自分自身に生じる不具合だ。

  ●2004.6.14(月曜日)

   レールウェイズのクリーンナップで頑張りたいと思います。

  ●2004.6.13(日曜日)

   電車の車輪の音を聞きながら、
   唄を歌ってきた気がする。

  ●2004.6.11(金曜日)

   1日を48時間にして欲しい。

  ●2004.6.6(日曜日)

   先月、人から紹介されて「はじめまして」と挨拶した人は、
   遠い地の小学校、2年生のときのクラスメートだった。

  ●2004.6.4(金曜日)

   山の中は、見たこともない色やかたちをした植物やキノコ類。
   腐って変色したような、あるいはアイスクリームのような、
   鮮やかなオレンジ色の変なかたちの花が、
   綿毛がいっぱい詰まっているものや半分だけなくなっているものや、
   それは本当にオレンジの輪切りのようなかたちの植物で、
   いくつもあるが、蜂などの虫がぶんぶんとやたらに飛んでいて、
   歩きにくいし、それらを確かめにくい。
   辺りは成長した草に覆われて、それを押し分けながら歩くのだけど、
   私はどこから入ってきたのかも、どうやって帰るのかも分からない。

   付近にひとつだけ建っている小屋では何かの展示会が行われていて、
   それを見ようかと思い建物に入ったところ、
   入口のところに帳面があるので記帳をしようと思っていると、
   自分の名前や住所が、上手く書けなかったり思い出せなかったりして、
   それならば記帳はあきらめて中に入れば良かったのだけど、
   いやそんなはずはないとペンを右手に思い出そうとしていたので、
   入口で随分長いこと困ったまま時が過ぎる。

  ●2004.6.3(木曜日)

   大勢でおしくらまんじゅうをする大会に出場したい。

  ●2004.5.30(日曜日)

   会うはずのない昔の知人の部屋探しについていく。

   紹介された物件は、地盤沈下で部屋が地中に5分の4程沈んでいて、
   中から窓を開けると見えるのは地層と歩く人の足だけ。
   私は「ほう、これはなかなか」と、
   よく考えたらとんでもないこの物件を、
   「この部屋がいいんじゃない?」
   と彼にすすめる。

  ●2004.5.27(木曜日)

   夕方のチャイム。
   背中の痛み。
   頭の中の水分。
   野菜のジュースと梅のジュースを飲む。

   それはそうと、ずっと楽しみにしているのに、
   いつになったら超能力が使えるようになるのだろうか。

  ●2004.5.26(水曜日)

   16年程前のテレビ録画のビデオテープなどが、
   部屋の地層の奥深くから出てくる。

   あらためて眺めてみると、
   別に興味もないドラマさえ、質の良いものに見えてくる。

   CMが少ないように感じるというか、
   実際は変わらないのかも知れないが、
   毎回のCMまでのテンボや間隔が長いというか、
   変な「煽り」のようなものがない分、「見やすい」と感じる。

   CM前後の過剰な、無理矢理な盛り上げや煽りなどは、
   それらの小手先の技術が、番組、作品自体の印象を落とし、
   結局は製作者側にマイナスになること。
   そしてコマーシャルフィルム側の印象のマイナスにもなること。
   それに気付かないというよりは、誰もそんなことは分かっていて、
   それでももう致し方のない現状になってしまっているのだろうか。

   たとえそれが確信犯的な技術として行われているとしても、
   それは、もうすぐに飽きられてしまうしかないのだと思う。

   そんなことよりも今回の一番は、任天堂のディスクカードの、
   「遊々記」のCFソング。
   十数年振りに映像を見て、非常に懐かしい気持ちになったのだが、
   このCMソングのCDを私は持っていて、
   今でもときどき目覚まし時計代わりにこの曲を聴いているのだ。

   あと「ドラえもん」のタイムマシンの声の出演は、複数の人で、
   毎回別の人が担当しているのだ。

   あと「パタリロ!」のタマネギに、幼少の頃の私は少し憧れていたのだ。

   という事などをビデオを見ながら思い出した。

  ●2004.5.24(月曜日)

   ありもしなかった思い出ばかり。
   何が本当か分からなくなる。

  ●2004.5.23(日曜日)

   楽団の練習に参加。

  ●2004.5.18(火曜日)

   開店前の静かなバーの中、
   その日出演のアーティストの入念なリハーサルを、
   客席に独り座って聴く贅沢。

   その罰として、行きの電車の中では、
   右手中指を軽く怪我。

  ●2004.5.16(日曜日)

   夢見心地で高架下を歩き、辿り着くのは、
   悪い夢のような、サイケな色彩の見世物小屋。
   そこではおまつりが開かれていて、
   ステージには多様な出演者が次々と登場し、
   なぜかその中に自分も混ざって、唄を歌ってくる。

  ●2004.5.13(木曜日)

   私は進学後は、野球を続けようと思います。
   そして野球選手になろうかと思いますので、
   ドラフトの際には、どなたか指名をお願いします。

   この間の試合では、9回に、
   ボールがいが栗に変わったので苦労しましたが、
   自分なりに頑張りました。

   そして試合後は、アーケードの屋根のある商店街で、
   買い物をして帰りました。

  ●2004.5.3(月曜日)

   とても心地の良い、程よい寒さの夜の風。
   蛍光灯のように白く、眩しい丸い月。
   思いもかけず、非常に近い場所から突然花火がいくつもあがる。
   花火の匂いも分かる距離。
   綺麗な空を見た。

  ●2004.5.1(土曜日)

   日付が変わろうとする時刻。ひとけが消えてく高架下。
   シャッターの閉まった商店の前で、
   段差に座って封筒に切手を貼るなどしていると、
   聞き覚えのある声が。
   演奏の帰りの、自転車にのった音楽家。
   あまりに自然なタイミングの偶然に、
   当たり前のようにあいさつをし、
   当たり前のように別れる。

   今回の、企画ライヴの主催者でもある。

  ●2004.4.30(金曜日)

   愛用ギタアの分身を見にゆく。

   楽器店で試奏させてもらう。
   どうにも迷うので結構な時間ずっと弾いてみる。
   途中でカポタストを貸してくれと頼むと、
   カポタストがなかったので売り物の中から出してもらう。
   その後サムピックを貸してくれと頼むと、
   サムピックがなかったので売り物の中から出してもらう。
   それからもしばらくあれこれ弾いてみる。

   木の色が微妙に違うだけではなく、音が微妙に違う。
   だから愛用ギタアと同一のものであるにも関わらず、
   自分の方がその若干の違和感に楽器見知りになり、
   迷った挙句に、そのまま迷いながら購入。
   しかし所有するからにはできれば愛着を持ちたい。

   しばらく部屋に置いとけば、馴染んでいかないか、などと思う。

  ●2004.4.29(木曜日)

   ボロいタイコを買ってくる。

  ●2004.4.26(月曜日)

   昨日某所で、愛用ギタアの分身を見つける。
   木製楽器の寿命は永遠ではないそうなので、
   ひとつだけ中古のスペアを探していたのだが、
   これがプレミア物ではないのだけれど、
   なかなかどこへ行っても見つからない。
   昨日はそのような期待もせずに楽器店を覗いたら、
   普通に入口に飾ってあるのだ。
   探し求めたドッペル君は、
   やはり木だから色と雰囲気が少し違うね。
   古くからの知り合いのような、見知らぬ他人のような。
   私はなぜか迷ってしまい、その日は購入をやめてしまった。
   そしていまだに迷っているので、
   買い手がついてはいまいかと、思い出すのである。

   本音は、専用ハードケース付属であれば即決なのだけれど。

  ●2004.4.24(土曜日)

   今週はいつもより魚類をよく食べた。

  ●2004.4.23(金曜日)

   足もとの柔らかい歩道橋を渡って、
   唄を歌いにゆく。

   長い間忘れ去っていた、
   通学路の途中のおばけ屋敷のことを話す。

  ●2000.5.14(日曜日)

   逮捕される。無実の罪で。
   誰かに公衆電話で助けを求めるけど、
   なかなか上手くいかない。

   最新式のハイテクの牢屋。自動ドアとか。
   牢屋でフランス語を勉強させられる。
   外国人の先生チンプンカンプンな教え方で、
   全然理解できない。

  ●2004.4.19(月曜日)

   もうエンディングの時間だというので、
   案内されて、自転車で、西の方角へ向かう。
   結構な距離を自転車をこぐ。
   空は夕暮れあるいは朝焼けの色。

   ここだと言われて足を止めたのは、
   下水処理場、いや、自動車の教習所?
   そのどちらでもなかったかも知れない、
   得体の知れぬ広い敷地の施設。

   するとエンディングのスタッフロールの文字が、
   足元から空中を赤い空へ昇っていく。

  ●2004.4.11(日曜日)

   間違えた。
   伝染病は消えているのではなく、移動しているのだった。

   公園では桜の花びらの紙吹雪が舞っていた。
   私は何か祝福されていたのか、それとも花にばかにされていたのか、
   それくらいたくさんの花びらがこちらに向かって降ってきた。

  ●2004.4.10(土曜日)

   目に見える伝染病は、その姿を消しつつあるようです。

  ●2004.4.7(水曜日)

   人が群がる中を、競うようにして眺める桜の花には、
   それほどの興味はないのだが、
   この季節、屋外での日々の生活の中で不意に、
   そこいらの屋根の向こう側などから、
   はみ出るようにあふれてのぞかせる桃色の花は、
   鮮やかな色の菌類の各地の大規模な同時異常発生のような、
   或いは広範囲に続いていく目に見える伝染病のような、
   気味の悪さと綺麗さがあって、点々と遠くまで続いて、
   深呼吸さえまともにできない体質のこの季節の自分が、
   この花咲く季節のこのような風景の中で現実から少し傾いていくとき、
   このような景色のある季節の中で過ごすのも悪くないなと、
   今更ながら思うようになるのと同時に、
   こんなにも普通通りの生活ができないで過ごさざるを得ない、
   この時期のアレルギーの症状に、
   何を言っているのか自分でもだんだん集中力がなくなり、
   結局のところ、とにかくだるい。

  ●2004.3.31(水曜日)

   70歳のギター弾きと、
   電車に乗って、そのあと駅から歩いて、
   途中まで一緒に帰る。

  ●2004.3.30(火曜日)

   知人と、先日休業閉店した本屋を訪れる。
   本屋は、20年ぐらい営業してきた店で、
   知人は、その本屋がたいそう気に入っていたので、
   残念な話である。

   ガランとした店内、知人が店主と話をしていると、
   そこにまだ残っている本は全部処分してしまうので、
   欲しければ持って行っていいと云われ、
   では2、3冊、と本を選んでいると、
   結局2人合わせて何十冊も本を積み上げてしまい、
   店主から大きい紙袋を4つもらい、
   雨の中を持って帰る。

   お気に入りの本屋がなくなるのは寂しいが、
   知人は今後も店主と別の形で会う機会があるようで良かった。

  ●2004.3.26(金曜日)

   エレベーターに3人で乗る。

   中は小さな発泡スチロールの欠片を無数に、
   胸の高さまで敷き詰めて、

   「次の人が開けて乗ってくるとき、びっくりするだろうね」って、

   エレベーターの中で3人でくすくす笑う。

  ●2000.10.28(土曜日)

   海の近く。
   半島の、大きな建物を壊すのだと云う。
   火をつけて、燃える建物のそばでたくさんの人々がそれを眺める。
   あとで地図を見せてもらう。

   銀行の人がやってきて、お金を、千円札で何十枚も渡すと、
   困りながら受け取って帰る。

   独立校舎の「11組」は全員お休みなので、
   「10組」だけがその校舎でわくわくして過ごす。
   ガランとしたうす暗い廊下の校舎で。

   雨の中、アルバイトの邪魔ばかりする友人が居て、
   彼はガールフレンドを紹介するが、
   こたつの中から黄色の水着姿で出てきて雨の中に立っているので、
   変な人だなと思う。

  ●2004.3.18(木曜日)

   月の砂漠の駱駝の商人、
   姿を見ていた訳ではないが、
   灯油を売って街中を行く。
   物悲しげなメロディ響かせ、
   住宅街を、音楽が遠のいてゆく。

  ●2004.3.11(木曜日)

   昨晩午前3時半頃、
   ひとけのない2車線の車道の真ん中で、
   2人のひとがサッカーをしていました。
   てんてんと弾むボールの音が響いていました。

  ●2004.3.10(水曜日)

   夜中に騒がしく聞こえてくる、
   蝉の声が止まない。

  ●2004.3.7(日曜日)

   今日の午後6時20分頃の低い月を、見ましたか。
   まるで張りぼての、偽物のような。
   丸い和紙の球体の空洞の中で誰かが裸電球を灯したような。

  ●2004.3.6(土曜日)

   本当に他愛のない目的のために、
   電車で横浜や鎌倉へ。

   世界の車窓でなくても、
   近場の普段乗らない電車の風景で、
   随分おもしろい気持ち。
   見慣れぬ真っ赤な電車や青いバスだけで、
   異国のような新鮮な感じ。

  ●2004.3.5(金曜日)

   特に書き残すことがないので、印刷のこと。
   私が印刷物に使うコピーの機械。
   最初は、コンビニLのC社のコピー機。
   幾つか試した結果、これが一番原稿との相性が良く、
   印刷の出来も良かった。少しベトリとした好みの印刷になる。
   しかし昨年か一昨年前頃、C社のコピー機が新しくなり、
   操作性とスピードは格段に上がったのだが、原稿との相性が悪くなり、
   どのモードで印刷を行っても、失敗作しか作れないようになった。
   そこでまた幾つか試した結果、妥協案としてのコンビニTのS社のコピー機。
   しかしこれは、せめて失敗作を作らないためだけの本当の妥協の機械であり、
   操作性は良くなく、印刷の出来も今ひとつであった。
   ところが半年程前、S社のコピー機もまた新しくなり、
   これが肝心の、操作性、原稿との相性ともに格段に良くなった。
   それでも、最初のC社旧型コピー機の印刷の出来が今でも一番好きなのだが。
   現在のところでは、S社新型のコピー機が、
   操作性、スピード、原稿との相性、印刷物の出来などが総合的に良い。
   あくまで私の扱う原稿のみで試した結果であるが。

   私はC社ともS社とも関係がないので、
   どの製品を誉めても何のメリットもないのだが、
   各社どのコピー機も、今後もっと性能が良くなってほしい。

  ●2004.3.2(火曜日)

   体育館のような建物の入口を入る。
   階段を降りる。地下4階ぐらいまで降りていく。
   廊下はだんだん薄暗く、ひとけもほとんどなくなっていく。
   ときどきロッカーのバリケードの向こうに、
   どうやら人が居るみたいだ。

  ●2004.3.1(月曜日)

   唄を歌う。
   居残りの時間。7時間目の音楽。

  ●2004.2.23(月曜日)

   中途半端な睡眠時間と時刻に目を覚まして、
   心臓がどきどきとあからさまに負担を感じさせているときの、
   身体を横に倒したままの状態の同時の苦しさと心地良さ。
   身体がまだ半分水中に残されてきてしまっているような感覚か、
   或いは身体の中に大量の水が流れているのか。
   頭の中までも水は及んでいて、ゆうらゆうらと水位を保っている感じ。
   どうにも少し頭痛がするが、このままの状態で良いのだから、
   どうにか無理に身体を起こさないように、忘れてしまわないように。
   慎重に、そのままで。

  ●2004.2.18(水曜日)

   芝生のグラウンドの真ん中で釣竿を振りまわしている人。
   土の上に魚はいるかな。

   土にまみれた少年少女なら健康的でまだいいが、
   土にまみれた魚を引きずりまわすのは台無しである。

  ●1998.9.9(水曜日)

   夜、関節という関節がすべて痛くなる。
   夜中じゅうわめき、さわぎながら寝る。

  ●2004.2.14(土曜日)

   街中ではなかなか作業ができる場所がないので、
   ファストフード店で、2時間粘って、
   発送の遅れていた郵便物を全部仕上げた。

  ●2004.2.12(木曜日)

   中古楽器屋を幾つかのぞいてみたけれど、
   目当てのものは見つからなかった。

  ●2004.2.7(土曜日)

   背中は痛くて、重い重力につぶされて、
   うつ伏せの体勢で、色々なものに取り残されて、
   漠然とした心配だとか、
   それらの一切、すでに諦めてしまったような安心感だとか、
   今現在の時間の流れの早さもおよそ見当がつかないで、
   今日はもう、どうにも収拾がつかないだろうから、
   どうしたらいいか分からないまま時を過ごす他にないでしょう。

  ●2004.2.5(木曜日)

   今日の月を、見ましたか。
   まるで電気みたいな。

  ●2004.2.2(月曜日)

   目が覚める直前、
   それまで見ていたものすべての動きが一斉にはやくなる。
   誰かが早送りのボタンを押してしまったのだろう。
   もう時間がないからね。

  ●2004.1.31(土曜日)

   その日は軽いノイローゼのような気分でいると、
   老年の男性が寄ってきて、声を掛けられた。
   彼は、きちんとした服装、きちんとした口調の話し方で、
   話している言葉の意味だけが分からなかった。
   私は、そのときその場を離れることもできたかも知れないが、
   気付くとなぜかその男性の世間話を聞くはめになっていた。
   「私の家は荻窪なんですけどね、」
   という言葉は4、5回は聞いた。
   「あの事件があってからは、どうにもこうにもねえ」
   という言葉も3回ぐらい聞いた。どの事件か。
   はっきりとした言葉で、要点のつかめない話。
   男性は、彼自身は何もしていないのにもかかわらず、
   警察に捕まることを心配しながら通りを歩いているのだそうだ。
   「それでねえ、どうしたらいいですかねえ」
   「いやあ、それは難しいですねえ、分かりません」
   聞かれている内容も、どう答えたらよいかも分からない。
   「ああ、風が出てきた。あの、お名刺とか頂けますか」
   「今切らしちゃってますので」
   「そうですか。それではどうも。また来ます」
   「どうぞお気をつけて」

   再び、訳の分からない理由で警察に捕まることを恐れながら、
   男性は西の方角に帰っていった。

  ●2004.1.30(金曜日)

   唄を歌う。
   忘れ去られた高架下にて。
   唄の余韻とともに、電車の音が遠のく地上2階の地下室にて。

  ●1998.6.15(月曜日)

   ロッカーに、
   赤いハイヒールの女の人の両足つきささってて、
   足だけしかなくて、
   その部屋の人たち誰も気づかないふりしているのだけど、
   そのあと男の人の両足も増えてつきささっているので、
   必死に気づかないふりしているその部屋の中の人たちが、
   ほとほと困っている。

   音楽奏でるチンドン屋、音色に誘われ追いかける。

  ●2004.1.25(日曜日)

   きのう晩、見世物小屋では、
   犬の人や、紙芝居の人や、
   歌の途中で詩を朗読する人や、
   歌を途中でやたらと止める人や、
   いろんな人が居た。

  ●2004.1.24(土曜日)

   数字の100を見ているとき、
   エルモは喋る電話と話をしていた。

  ●2004.1.21(水曜日)

   現実的でもあり、非現実的でもある。
   窓口で、74番の札をもらう。

  ●2004.1.19(月曜日)

   水の中のように動きづらい。
   特に今回は、まるで粘土の水の中のようで、
   逃げたいのだけれど、まったく身動きがとれない。

   場所が変わる。
   駅では、階段やエスカレーターがやたらに入り組んで、
   随分長い距離のびていて、どこに続いているのか分からない。

  ●2004.1.18(日曜日)

   西方かなたの地にて、カレーを食し、楽団と逢う。
   或る者は楽器を奏で、或る者は踊りを踊る。
   そして最終電車に乗って、日本に帰ってくる。

  ●2004.1.17(土曜日)

   結構な時間、屋外にいた。
   夜、眠る頃になっても、
   視界に向かって落ちて来る、雪の残像が消えない。
   長い時間テトリスで遊んだときと同じだ。

  ●2004.1.8(木曜日)

   インド人に、かるく叱られる。

  ●2004.1.5(月曜日)

   誰かから渡されたピストルを仕方なく持っていて、
   本物かニセモノかは分からないのだが、
   何故か、理由はないのだけれど、
   偶然目の前を通り過ぎた人のこめかみに銃口をあてて、
   とりかえしのつかない気持ちでいっぱいになる。

  ●2004.1.2(金曜日)

   自転車はパンクしていたので、移動はスムーズではない。
   バスの中では、何だったかの理由で嫌な気持ちで過ごす。

   次の場面では自転車は、実はパンクをしていなかったので、
   自転車に乗って朝に出かけていく。


  ●2004.1.1(木曜日)

   暗いところから轟音がどんどん大きく、近づいてくる。

   時間が経つ。場所が変わる。屋外に立っている。
   人々が順番に代わるがわる道を尋ねてくる。
   まるでクイズ形式で、出題者が列に並んで順に尋ねてくる。